Arsenal the Smart Camera Assistantをレビューしてみる
日本で持っているのは数人しかいないんじゃないか!というレアガジェット。
キックスタートは2017年頃。
あの時(今も)初心者だった私が思わず手を伸ばしたのがこのAI搭載カメラアシスタントというガジェット。

機能面の紹介もしっかりあって、各要素、絞り、シャッタースピード、ISOなどをAIで決めてベストショット(あくまでAIが判定する)が撮れるというのが触れ込み。
初心者にとってマニュアル操作ほど怖いものはなく、写真にある程度慣れた今でも頼まれた写真などはAutoで撮っている私です。だって怖いもの。
現像段階である程度補正は可能ですが、とは言ってもやはり限界はあります。極力失敗は避けつつ、やっているわけで、そこをAIが補完してくれるなら願ったり叶ったり、というかこれがAIの役割だよ!ということでポチったのです。
期待していたのは、
・AI測定のアシストをしてくれる
・HDRの自動合成
・瞬間瞬間の切り取りを判定してくれる
みたいな近未来を。
Contents
ではいよいよ運用してみる
設定項目は比較的シンプルで、操作時にいろいろ変えるタイプのUIです。


スマートモードはこんな感じで、SHUTTERやISOなどのスライダーは動かせません。ただ真ん中のシャッターボタンをタップすれば、あとは自動でAIが計算して写真にしてくれます。LiveView画面では画面タッチでフォーカスしてくれます。

こっちはマニュアルモードで、カメラモードに対応して数字をいじれる。
ある程度の予測値を見せてくれるので操作はしやすい。

アプリ単独でタイムラプス撮影も可能。
これが一番の目玉な気がする。
とりあえず撮影してみる。

写り的には普通です。手前にフォーカスかけて、待つこと3秒くらい、全自動で数字をいじって撮影してくれます。

距離を離してみてもしっかりフォーカス。
この辺の操作を全てスマホでできるのが強みですね。
果たしてカメラはAIで再定義されたのか?
まあ、ここにある通り、微妙です。
理由としては様々あるのですが、まず立ち上がりの問題があります。
私はSONY信者なのでα7R2ユーザーなのですが、カメラ起動>Arsenal起動>スマホでArsenalのWi-Fiを掴む>カメラでリモコンアプリを起動>Loading>Arsenalアプリ運用開始、という流れになります。とにかくワンステップワンステップが長い。特にスマホのWi-Fi操作はめんどくさく(おそらくAndroid+最新機という想定でアプリ開発されている)、起動後、使わなくなること必須です。そもそもレビューが遅れたのも、当初完成度があまりに低いアプリでして、ろくに操作できないという状況だったためですが、今のVer9になってマシにはなりました。

次に課題になるのは、運用面。
まず、三脚は必須です。
手持ちモードもありますが、このモードで運用する意味はほぼありません。
また、前述の通りの想定スペックのようで、私の環境ですと一部の機能は使えませんでした。
さらに、前述の通りの接続のめんどくささと相成ってストレスです。
さらに大きな課題は機能性。
で、核心的問題なのですが。カメラがスマホに機能を奪われてから、スマホとの融和を図ってきました。中にはレンズだけ別にしちゃえばいいんじゃね!というとんでも発想のSONY製品もあったりですが、今のところ、スマホの役割はストレージを兼ねてある程度の画面による画像のチェック、さらにはネット接続と絞られつつありますが、テザー撮影もわりかし視野に入っています。
この製品でやっているのはまさにスマホによるテザー撮影で、アプリを使えばその機能を実装している製品はある程度ありまして、そもそもこの製品って必要なの?と思った次第です。
売りがAIなのでその充実のさせ方次第なんですが、おそらく1年とか2年以内には同程度の機能でストレスのないスマホ連携ができるようになっている気がします。
この製品の強みはおそらく風景描写なので、そういうシーンで少し運用してみますが、現状だとお勧めはできないですね。

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